脂肪腫は、名前のとおり、脂肪の塊が生じる皮膚病です。もちろん良性で、ぷっくらとこぶのようにふくれたものであり、いわゆる皮下脂肪の集まりですから、害があるものではありません。とはいえ、見た目があまり良くないため、気になってしまう方も多いでしょう。脂肪腫は首や背中に出来やすいようです。発生の原因は不明です。
似た形状の皮膚病にアテローム(粉瘤)がありますが、こちらは“ゴミ”がたまったものであり、医学的に異なる皮膚病です。

基本的に脂肪腫の医学的治療は、手術に依る切除しかありません。皮膚科というより、整形外科での治療となってくるでしょう。
もし脂肪腫のようなこぶが出来た場合は、形状等でおおよその見当はつくとはいえ、病院で悪性のものでないか、確認してもらった方が良いと思われます。
小さなものであれば手術を勧められることは少なく、「様子を見ましょう」と言われると思いますが、何も処置しないのは不安かもしれません。少しでも小さくしていきたい場合は、その可能性がある漢方での対策を考えてみても良いのではないでしょうか。また手術後に再発をケアしたい場合、他の部位に発生することを予防したい時なども漢方が選択肢になると思います。

漢方で脂肪腫を考えた場合、まず考慮すべき体質は「痰湿」でしょう。「痰湿」は体の不要物のことです。
体が重だるい、天気が悪くなると体調が悪化する、などの症状がある方は、まず「痰湿」体質であると考えられますので、脂肪腫対策として「星火温胆湯(せいかうんたんとう)」などの漢方薬の服用を検討してみましょう。
また、やはり異物であることを考えると、ガンにも使用され、解毒の作用がある「シベリア霊芝」などの漢方薬も選択肢として挙げられます。「シベリア霊芝」には“ほぐす”作用もあり、「痰湿」除去の力も兼ね備えています。
とはいえ、やはり漢方は体質判断が重要です。必ず専門家に相談をしたうえで、漢方薬を服用ください。

脂肪腫もやはり何かしらの体のバランスの崩れがあって生じたものと思われます。漢方薬を服用することで体全体の総合的なケアにつながるはずです。ぜひ漢方の専門家を訪ね、対策をとってみて下さいね。