子供と漢方 夜泣き.jpg前回は子供の夜泣きの原因と私なりの”寝かしつけ”対処方法をお伝えしました。では漢方では夜泣きに対して、どのような対処をしてきたのでしょうか。2千年以上前から子供の夜泣きには、お母さんお父さんは苦労していたようで、様々な漢方薬が存在するのですよ。
基本的に夜泣きがあまりにも続く場合には、大部分において、中医学でいう「肝」が落ち着いていないか、「腎」が弱いと捉えます。中医学の「肝」は自律神経とも関係しており、子供の情緒が不安定なのはこの「肝」が未発達なためです。この「肝」の状態を整えるためのお薬として以下のお薬が良く用いられます。
柴胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
「肝」を穏やかにして、気持ちを整えます。大人の不眠症などでも良く使われます。
抑肝散(よくかんさん)
古くから、いわゆる「疳の虫」に良く使われていたお薬です。穏やかなお薬で、子供のお腹を労わりながら「肝」を調節します。
また「腎」は「成長」「発育」と関係した”臓”であり、その手助けをすることにより、未発達の体を安定化させます。
六味丸(ろくみがん)
一般的に成長が少し遅い子供が服用するお薬です。「腎」すなわち体質を強化して身体と心を整え、睡眠の質を改善させます。
また以前のコラムにも書きましたが、中医学で云う”肺”や”脾”は子供が弱い”臓”です。この部分をケアすることにより夜泣きが収まることもあります。特に1歳未満の夜泣きの対処には、”脾”や”肺”の状態を整えることを優先すべき場合が多くなります。
ちなみにどのお薬もそれほどクセはなく、工夫次第で6か月程度のお子様でも服用は可能です。
以上代表的なお薬を挙げましたが、おなじ「夜泣き」症状でも、服用すべきお薬は一人一人違ってきます。専門家とよくご相談の上で服用を決めましょう。
なお、子供の夜泣きに関する漢方薬を検討したいと考えている方は、下記の「3分簡単漢方相談」もご利用ください。もう少し詳しいお答をメールにて差し上げます。
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