子供と漢方 便秘.jpg子供の便秘は意外と多いものです。特に産後まもなくの乳児は、胃腸機能がまだ未熟であり、便が出にくくなることがあります。また、離乳食を始めると便が硬くなり始めて出すのに苦労します。子供の便秘は体に老廃物をためる結果となり、皮膚炎に結びつくこともありますので、軽視せず早めの対策が肝心でしょう。
ただ乳児の場合には漢方薬の服用が難しい場合もあり、その場合はお母さんの体のケアを考えます。母乳を通して便秘を治すのです。例外もありますが、子供が便秘をしている場合、お母さんも便秘であったり出にくい体質であることが多いのです。お母さんの便秘を改善することによって多くの場合で子供の便秘も良くなります。
授乳しているとお薬を服用することをためらうお母さんが多いのですが、漢方薬の大半は飲むことが可能であり、逆にお母さんの体調を整えることが母乳を通じて赤ちゃんに好影響を与えます。もちろん体質にも依りますが、「婦宝当帰膠」は産後のケアにもなり、お通じを整える効果も期待できるため、おススメのお薬の一つです。それでも改善できない時には、「潤腸湯」や「麻子仁丸」といった下剤効果のある漢方薬を様子をみながら試してみると良いでしょう。
一方離乳食を始めてから便が硬くなった子供は、直接漢方を服用することが可能です。「食が細い」「身体が小さい」など胃腸機能が弱い傾向がある場合には「星火健脾散(せいかけんぴさん)」や「衛益顆粒(えいえきかりゅう)」の服用を考えてもいいでしょう。まだ未発達である胃腸機能を漢方薬で補佐することによって、便の排泄を促します。それでも難しい場合は「潤腸湯」などの下剤効果のあるお薬の服用を考えることもありますが、これはまれなケースでしょう。
また便秘がちな子供には、水分(お湯)をたくさん与えることを忘れずに。
子供は段々と消化吸収機能が整っていけば、便秘はすることは少なくなります。ただ、小さいうちにしっかりと排泄をしておくことが、アレルギーなどの防止にもつながると思われます。最終的には「かんちょう」という手もありますが、やっぱり子供は苦しいと思いますので、出来るだけのケアをしてあげましょうね。