子供の消化器系統は未発達です。少し食べ過ぎたりすると下したり、吐いたりします。ノロウイルスなどのお腹に影響を与えるウイルス疾患は子供の間で流行することが多いのですが、これは子供の消化器系が弱いため、同じようにウイルスに感染しても大人より重い症状となることが多いためであると思われます。
また消化器系統に負担がかかると、アレルギー体質になりやすいと言われ、体力的、精神的にも発育が遅れると考えられます。成長し、中学生ぐらいになれば胃腸機能も整ってきますが、体質が固まってしまってからあれこれするよりも、早めの対処の方が改善が容易です。大切な子供の体が丈夫になるよう、早めの漢方の服用を考えましょう。
なお、急性の激しい下痢や嘔吐などは脱水などの心配もあるため、原則としては病院に行くことが必要です。
さて、まず食が細い子供の場合の漢方対処法です。胃腸機能が整っていない”脾気虚(ひききょ)”と呼ばれる体質が根本にある場合が多く、この場合は「星火健脾散(せいかけんぴさん)」などのお薬の服用を検討します。また、消化吸収を助けるために「晶三仙(しょうさんせん)」という漢方の消化剤を飲むとさらに良いでしょう。
また、下しやすい子も基本的には同様で”脾気虚”の可能性が高いのですが、もし食欲が旺盛であれば「晶三仙」の服用でまず消化を助けることを第一に考え、次に「星火健胃錠(せいかけんいじょう)」や「星火健脾散」でお腹の機能を高める漢方薬を検討されると良いと思います。
さらに、吐きやすい子供は体に余分な水分が残っていると考え、「勝湿顆粒(しょうしつかりゅう)」の服用も考慮します。
なお、子供が大好きなスナック菓子や冷たいジュース、アイスクリームなどは、胃腸が弱い子はもちろん、元気な子であっても出来るだけ食べさせない方が良いでしょう。これらは胃腸に負担をかけ、アトピー性皮膚炎やぜんそくなどのアレルギーにもつながってしまいます。
逆に豆類や米類、根菜類などは胃腸の働きを助け、ともすれば漢方薬の代わりにもなるでしょう。
小さい頃からの習慣があれば、お菓子がなくとも平気な子になります。その分お母さんの負担は増えてしまいますが、可能な限り間食は控え、今のうちに健康な体の土台を作っておきましょう!
胃腸が弱い子供に対するケア
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