チックは顔をしかめたり、首をふったり、手足を震わせたりする運動性のチックと、咳払いや喉ならし、単語を繰り返しなどする音声チックに分かれます。幼稚園から小学生の男児に起きることが多い病気で、心理的な要因と、遺伝や脳機能の問題が指摘されていますが、はっきりとした原因は分かっていません。
両親としては周りの目が非常に気にかかる疾患ですが、基本的に成長とともに収まる病気であり、子供に注意を与えると状態が悪化することがあるため、温かく見守って上げることが重要です。
チックに対しては西洋薬がある程度有効ですが、漢方の考えからすれば、「腎」や「肝」の機能に関してややバランスの乱れがあると思われます。西洋薬で良くなったからと安心せずに、その後の子供の発育を考えて体のケアを考慮しましょう。
「腎」とは成長に関わる機能を担う「臓」です。この「腎」が体の成長に追い付かない場合に、体は違和感を感じ、チック症状を引き起こすと考えます。よって「補腎薬」と呼ばれるお薬で体の発育の補助をします。具体的には「六味丸(ろくみがん)」というお薬が使われることが多いでしょう。
また「肝」とは神経系統の機能を担う「臓」であり、この「肝」の働きが思うようにいかないと神経伝達が乱れ、体が意思と反して動くチック症状となる場合があります。この場合は「肝」が”高揚”している場合が多いため、”肝”を”抑”える「抑肝散(よくかんさん)」というお薬が第一候補となるでしょう。
ただし、「腎」と「肝」の問題以外が原因のチックもあります。一度は漢方の専門家に相談をし、最適なお薬を服用するようにして下さい。
チックは子供が発育して大人になっていく過程で「不安」と戦っている病気です。そして親も「不安」と戦う病気です。しかし必ず「不安」が「安心」に変わる時が来ます。漢方の力も借りて、ぜひチックに打ち勝ちましょう!
チックと漢方
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