おたふくかぜ.jpg先日私の子供二人がおたふくかぜに続けざまにかかりました。下の子が通っている保育園で流行していたので「もしかしたら」と思っていたのですが、案の定感染し、その後上の子にもうつってしまいました。
おたふくかぜはムンプスウイルスが原因の伝染病で、感染力が強いとされています。漢方薬で予防出来ればと思っていたのですが、ちょっと難しかったようです。
おたふくかぜはそれほど怖い病気ではありません。そして一度感染すれば原則として二度とかからないとされているため、小さいうちに罹った方がいいとも考えられます。
しかし合併症が起こる場合があり、特に思春期以降や成人の男子は精巣炎等が15-35%に見られるとされます。不妊症になることは少ないとされますが、やはり気になるデータです。
また幼児では髄膜炎や脳炎と言った怖い合併症もあるため、おたふくかぜをあまり軽視することも出来ないでしょう。
西洋医学ではおたふくかぜに対処する治療法はありません。よって対症療法として、痛みが強ければ鎮痛剤、熱が高ければ解熱剤を用いるなどします。
しかし40度以上の高熱の場合はまだしも、発熱は体がウイルスと闘っている証拠です。無理に熱を抑えるのではなく、自然に近い形でおたふくかぜが悪化しないように対処する方法として漢方薬を検討しても良いでしょう。
おたふくかぜでもっとも辛い症状は痛みであり、食事をすることも出来ないぐらいに耳の下が痛むこともあるようです。これは炎症が原因に他ならず、漢方的には”熱”と捉えます。よって”熱”を排除するお薬である「天津感冒片(てんしんかんぼうへん)」が、急性期にはもっとも役立つ処方となるでしょう。「天津感冒片」には炎症を悪化させないための予防効果も期待できるので、「おたふくかな?」と思ったらすぐに「天津感冒片」を与えても良いと思います。
また、おたふくかぜはウイルス病ですから、抗ウイルス作用を持つとされる「板藍茶(ばんらんちゃ)」が威力を発揮します。こちらも予防としても使えますし、たとえ感染してしまったとしても悪化を防ぐことにつながります。もし子供が薬を服用できるようであれば、やや多めに飲んでも良いでしょう。
私の子供も「天津感冒片」と「板藍茶」を多めに飲んだせいか、下の子の発熱は1日で治まり、耳の下の腫れも2,3日で気にならなくなりました。上の子も発熱は1日程度で、痛みは数日続きましたが腫れはそれほど目立ちませんでした。
おたふくかぜはしばらくすれば治ると分かっていても、子供が苦しんでいるのを見ると、どうしても何か薬を飲ませたくなりますよね。その場合には漢方薬を使って、穏やかにですが悪化しないように対処することを考えてもいいのではないでしょうか。