虫歯も立派な病気の一つ。虫歯で食事に支障が出ると、子供の発育にも影響が出てきます。何より、子供が痛がる姿を見ることは辛いですよね。そして歯医者さんに通うとなると、子供は治療を嫌がりますし、親としても時間を割かなければならなくなりますし、いいことはありません。
乳歯であればまだ良いと考えている方もあるかもしれませんが、乳歯で虫歯が生じた子供は永久歯も虫歯になりやすいそうです。歯は一生もの。子供が将来大変な思いをしなくても良いように親の責任でケアをしてあげたいものですね。
ただし虫歯は食事の摂り方や、歯みがきの習慣がきちっと出来ていれば、そこまで問題視されることはないでしょう。現在は私が子供のころより歯みがきが徹底されているようで、虫歯になる子供も減っているそうですね。
とはいえ、ちょっと油断すると出来てしまうのが虫歯。もちろん治療は歯医者さんが原則ですが、今回はちょっと漢方の考え方を用いた虫歯対処法をご紹介したいと思います。
まず虫歯が生じた時の痛み止めに近い形で使用する生薬として、「山椒(さんしょう)」があります。これは言わば麻酔効果で痛みを和らげるもので、根本解決にはなりません。また、「正露丸」の効能にも虫歯の痛みに効くとあり、使用した経験のある方も多いのではないでしょうか。確かに一時的に痛みは落ち着くことが多いようですが、こちらも根本解決にはなっていないと考えられます。
軽い虫歯であればまだしも、痛みが生じているような場合にはやはり歯医者さんに行くべきです。
ただ、歯も人間の体の一部。免疫力、修復機能が備わっています。免疫物質が多く含まれる唾液がふんだんにある状態を保ち、歯磨きなどのケアを行っていけば、少なくとも悪くならずに済むケースも多いとされます。
要するに歯が力強い状態であれば、虫歯を悪化させず、また虫歯が生じにくいこととなるのです。
中医学で歯は「骨」の一種と考えます。そして「骨」は五臓の一つ「腎」と関係します。要するに「腎」が弱いと歯も弱くなり、虫歯にもなりやすいと捉えるのです。
そこで歯を力強くするために「補腎薬」と呼ばれる漢方を使用します。「六味丸」という処方がその代表ですが、小児の発育不良にも用いられる漢方薬であり、虫歯対策にもなるとされます。中国には「還少丹」という「六味丸」をベースにしたお薬がありますが、虫歯ケアに用いられているそうです。
もちろん、やや長い目で見る必要があるため、すぐに虫歯を直すことが出来る訳ではありませんが、「これ以上子供の虫歯を増やしたくない」「治療の必要はないと言われた虫歯のケアをしたい」「どれだけ歯磨きをしても虫歯が出来てしまう」というような方は服用を検討しても良いのではないでしょうか。
ただし、お薬は体質判断を行ったうえで服用することが原則です。「六味丸」が合わない子供もいるので、しっかりと漢方薬局で相談をすることをお勧めします。
とはいえ、虫歯は予防出来れば一番。間食を控えること(特にダラダラ食い)、好き嫌いなくバランス良く食事を取ることも気をつけつつ、歯磨きをしっかり行って、虫歯とはサヨナラをしましょうね!
虫歯が多い子供のために
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