5月は新じゃがが美味しい季節です。ゆでてホクホクのじゃがいもは本当に美味しいですよね。皮にも栄養が多く含まれますし、この時期のじゃがいもの皮は柔らかいので、皮ごと食べるのがおススメです。
その他の根菜類といえば、サトイモやヤマイモ、サツマイモなどのイモ類と人参、大根、カブ、ゴボウなどがありますが、これらの旬は秋が多いように感じます。しかし今では産地などによってほぼ1年中食べられる食材ばかりですよね。
根菜類は、地面からの栄養をたっぷりともらって、その内部にエネルギーが蓄えられています。栄養学的に考えてもビタミン類や食物繊維など豊富なものばかりであり、健康のために積極的に食べることが出来ると良いですね。
中医学的には、陰陽説で云うと大地は陰、大気は陽となります。よって根菜類は大地の陰を蓄えた食材が多いと考えます。すなわち「補陰」の力があるとされるのです。そのため、やや冷ます傾向があることが多いのですが、茹でたり煮たり火を通すことに依って緩和され、ほぼ平性に近い性質を持つものが多くなります。
また「土」は五行説で「脾(消化器系統)」に属します。よって土の中にある根菜類は「脾」に良い食材が多いと考えます。特にイモ類は「脾」のケアにも効果がある食材が多いということを覚えておくと良いですね。
それでは少しだけ食材別にその性質をみていきましょう。
★ヤマイモ
生薬としても使われる食材です。「山薬」と呼ばれ、「補陰」「補気」の力があるとされます。よってお腹が弱く、睡眠不足気味で元気が無く、のぼせやほてりなどがあり、口が乾く傾向の方にはどんどん食べて欲しい食材です。生の状態で食べれる唯一のイモであります。
★じゃがいも
じゃがいもはナス科に属します。ナスは体を冷やしますので、やや「涼性」と捉えて記載されている本もあるのですが、私はほぼ平性の食材であると考えています。やはり「脾」に働きますので、お腹の弱い方で元気が無い方などにはおススメです。ただしポテトなどで油を多く使っている料理には気をつけましょう。
★人参
薬用ニンジンとはその科は異なりますが(薬用ニンジンはウコギ科、一般の人参はセリ科)、「脾」、すなわち胃腸に良いという点は同じであり、「血」を補う作用もあるとされる優れた食材です。皮の近くに栄養素が多いとされるので、出来れば皮はむかずに食べてみましょう。また、生ですとビタミン類を壊す酵素が残るとされますので、火を通して食べた方が良いと思います。
★大根
大根は「脾」だけでなく、「肺」すなわち呼吸器系にも良い食材です。また性質としては、やや「涼性」になります。よって咳やノドの痛みの他、皮膚病にも良いとされます。
ちなみに大根の種子は「ライフクシ」という生薬であり、「気」の巡りを改善する効果があります。同様に大根にも似た作用がありますので、お肉類と大根の組み合わせは胃腸の負担を避けるためにとても良い食材なのです。
また中医学の養生として「冬に大根、夏に生姜」という言われがあります。「冬の病は夏に治す」という意味合いと、冬には補って温めるばかりでなく、巡りを良くして適度に冷ます食材を摂ろうという理由があるのではないかと思われます。
以上、いろいろと述べてきましたが、根菜類は本当にお勧めの食材ばかり。イモ類などはカロリーが高そうで、ダイエット中の女性などは敬遠されるのかもしれませんが、バランス良く摂れば問題ありません。大地からのパワーをたっぷり含んだ根菜類をたくさん摂って健康維持に役立てましょう。
根菜を食べよう!
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