腎臓は血液をろ過し、老廃物をおしっことして出す器官。人間が生きていくうえで、なくてはならない大切な臓器です。
腎臓のろ過の仕組みは非常に精巧ですが、それでも、車のオイルフィルターや、クーラーのフィルターなどと同様に、使っていくとどうしてもその機能は落ちていきます。よって腎機能の低下は老化現象の一つと言っても良いでしょう。
腎機能の指標は、よくクレアチニンクリアランスという検査数値が使われます。一般的にこの値が年齢とともに段々と高くなっていきます。1.5mg/dlを超えてくると要注意となり、10mg/dl以上となると透析が必要と考えられます。
腎機能に負担をかけないようにするためには、流れ込んでくる血液をキレイに保つことです。キレイであれば濾す作業は簡単ですものね。一方で、糖尿病の方などは血液がドロドロしていますから、腎臓に負担がかかってしまうというわけです。
しかし、腎のろ過機能は一度衰えると改善はかなり困難とされます。高血圧など数値に異常があるケースはそれに適応する薬が結果的に腎機能への負担を和らげると考えられますが、腎機能を直接回復するような西洋薬はありません。そのため、数値がこれ以上、上がらないことを目標に、腎臓への負担を出来る限り減らすことが重要です。
具体的には食事に気をつけていくことなどが挙げられますが、高齢者などもともと食事量の多くない方などは食事療法も簡単ではありません。よって、漢方薬や養生の出番となってきます。
漢方では五臓に「腎」の概念があります。これは今で云う「腎臓」と同一ではありませんが、少し似た働きがあると考えます。よって漢方の「腎」のケアが、「腎臓」のケアにもなると考えられます。
「腎」に良い食べ物としては、以下の種類のものが挙げられます。
★黒っぽいもの
黒豆、黒キクラゲ、黒ゴマ、海藻類、貝類など
★木の実
クルミ、枸杞の実など
★その他
エビ、ヤマイモなど
また生活養生としては以下のような点が大事とされます。
★睡眠不足を避ける
★過度の性生活を控える
★腰を労わる
このような養生はベースとなりますが、もっと積極的に「腎」のケアが必要な場合には、漢方薬が効果を発揮します。
繰り返しますが、腎機能を改善することは残念ですが困難です。しかし腎臓に負担を出来るだけかけないようにしていくことは可能です。改善が難しいからこそ、若いうちから「腎」を労わることが出来れば一番ですが、「腎」が衰えてきている方も、日頃から腎臓の”気持ち”を考えて生活をしていくと良いですね。
腎機能改善?
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