体の中の水分は成人で約60%と言われますね。年齢とともに減る傾向があり、60歳以上は50%を切るとされます。
それでも半分は水分であり、言わずもがな、人間の生命維持に水は欠かせません。
それほど大事な水分をどのように摂取するべきか、様々な意見があるように思います。よく耳にするのは、
★朝はお水をコップ一杯飲みましょう
★1日に1.5リットルの水を飲みましょう
★尿酸値が高い方、結石が出来やすい方は水分を多めに摂りましょう
などで、ネットはもちろん、新聞や雑誌で見たり、医師に言われたという話も聞いたことがあります。
しかし必要な水分摂取量は人それぞれであり、上記の内容が必ずしも当てはまらないことも多いように感じています。その日の運動量や、汗のかき具合、季節によっても異なりますよね。よって原則としては、飲みたい時に飲む形が一番であると考えます。
とはいえ、長年の習慣によって、水を欲求する機能がマヒしているケースもあります。また子どもや高齢者は、体に水が不足しているけれども欲求が付いてこないということもあります。このような場合には意識的な水分摂取が必要でしょう。
さて中医学では、体が必要とする水分を「津液」と表現します。これは体に必要な潤いであり、「津液不足」は乾燥肌や喉の渇きなど様々な症状の原因となります。一方で、体に不要な水分を「痰湿」と云い、「痰湿」が存在すると喉のつまりやむくみなど、これも不快な症状を引き起こします。すなわち乾きすぎもダメ、潤い過ぎもダメなのです。
ちなみに「津液不足」でありながら、「痰湿」が存在するケースもあります。複雑ですが、体が乾いているので水分を摂るのだけれども、「津液」とならずに「痰湿」となってしまうことがあるとされるのです。
結論として、私がお勧めする水分摂取のポイントは、
★基本的にはノドが乾いた時に水分を摂取する
★一度にたくさん飲まず、こまめに摂る
★白湯が一番、難しければ常温の水、味気なければ緑茶、ほうじ茶
★コーヒー、牛乳は「痰湿」を生むため、水分摂取の用途では飲まない
★特に朝は温かい水分を摂る。冷たい水はもちろん、常温でもあまりよくない
となります。
何事もそうですが、バランスが大切。乾きすぎず、潤いすぎず。上手に水分を摂ることも健康長寿の秘訣ですよ。
乾き過ぎず 潤い過ぎず
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