ふわふわ感の漢方.jpg「ふわふわ感」。もちろん病名ではありませんが、訴える方が多い症状であると感じます。将来的には「ふわふわ病」という病気として広く認知されるようになってもおかしくないと、個人的には思っています。
現代の医学で病名を付ければ、めまいであり、”浮動感”と呼ばれる症状と感じます。しかし、立ちくらみのようなくらっとするタイプ、もしくはぐるぐるまわる回転性のタイプがめまいと思っている方が多く、雲の上を歩いているようなふわふわ感はめまいと考えずらいのかもしれません。また、「病気」とは認識しずらく、病院に行くほどではないと感じてしまう、いわゆる”不快症状”の一つであるため、医師もあまり重要視しないという側面もありそうです。検査や数値等にも出にくいと思われますが、それでも悩んでいる方が多い症状の一つだと感じます。
ふわふわ感が起こる医学的な原因としては、自律神経の不調が多いように感じます。ストレスが多く、生活リズムが乱れがちな現代はどうしても自律神経がバランスを崩しやすくなります。
また、筋肉のコリや張り等から起こる血流の悪さも関係しているともされます。しかしながら、はっきりとした原因がわからないことの方が多いのではないかと思われ、もちろん、ふわふわ感を治すこれといった薬も無いのが現状です。そして、心療内科を紹介されることも多いことでしょう。
しかし、このような、病気とはいいずらい症状こそ、漢方が得意とするところです。また病院で出されたお薬が効かないケースも多いと思われ、そのような時にはぜひ漢方薬をお試しください。
ではふわふわ感を漢方で考えるとどのような原因と捉えるのでしょうか。まず考えられるのが「水湿」。余分な水分が悪さをしているケースです。必ずしも水分を摂り過ぎているという訳では無く、胃腸が弱かったり冷たいものを摂ったりして、「水」があふれている状態です。水が体の中にあふれていれば、体がプカプカ、ふわふわしてしまうというイメージ、何となく分かりますよね。
このような場合には「水湿」を取り除く作用がある漢方を用います。ケースバイケースですが、「勝湿顆粒(しょうしつかりゅう)」や「半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)」などが合うことが多いようです。
また、ストレスが大きい場合には「気滞」も関与していることが多いでしょう。「気滞」とは「気」すなわちエネルギーの巡りが悪い状態であり、これが「水湿」を生み出す原因となることもあります。このような時は「逍遥丸(しょうようがん)」や、「半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)」が合うように思います。
その他にも消耗が関係していたり、血流の問題があったりと、様々な漢方的な理由が考えられます。”診たて”が大事であるため、まずは専門家に相談を出来るといいですね。
ふわふわ感も毎日のように続くと、本当に辛いものです。ぜひ対策を考えてみて下さいね。