男性不妊50%.jpg不妊カップルの50%は男性に原因がある、ということをご存じでしょうか。これはWHOが発表しているデータです。いわば世界の共通認識。とはいえ現実問題として、知らない方がほとんどではないかと思います。
最近は卵子の老化が話題になっていますが、精子の問題もぜひ多くの方に知ってもらいたい事実です。
漢方相談を受けていると感じるのですが、男性はなぜか自分に自信があり、不妊の原因は自分ではないと決めつけてしまう傾向があります。確かに健康に大きな問題がなく、普通に射精が出来れば、精子に問題があるように思えないのでしょう。しかし、見た目では全く分からないのです。
もしあるカップルに赤ちゃんがなかなか授からなかったとして、男性がまず検査を受けるというケースは皆無ではないでしょうか。同様に先にご主人が漢方相談をするというケースも私は経験がありません。
もちろん女性は「赤ちゃんを授かりたい」という本能があるため、より積極的に物事を考えて当然かもしれませんが、赤ちゃんは二人の問題ですから「赤ちゃんが欲しいなあ」と願っていて、それでも赤ちゃんが出来ない場合には二人とも何か行動を起こすべきと思います。
ちなみに女性が病院で不妊治療を始めても、男性は検査を受けないというケースも多く見受けられます。結果が怖いのかもしれませんが、真剣に赤ちゃんを望むのであれば必ず一緒に検査なりをすべきです。
また検査の結果が出て女性男性共に問題ないとされると、なぜか女性ばかり治療しますが、男性も検査で問題ないから安心してはいけません。現代の西洋医学的には分からない要素が隠れている可能性も高いことを自覚しましょう。
さて前置きが長くなりましたが、男性不妊が知られていない現状に警鐘を鳴らす意味で、以下のようなタイプの男性は不妊の可能性が…ということで個人的意見ではありますが、列挙させて頂きます。もちろん、以下のタイプの方でも赤ちゃんに恵まれている方もいらっしゃるでしょう。しかし、不妊になる、少なくとも妊娠をさせにくくなる可能性が高いタイプと考えます。ぜひ奥様も覚えておいて下さいね。
★ストレスが多い方
現在の社会とストレスは切っても切れない関係があります。よって、ストレスが全くゼロという人の方が珍しいのではないでしょうか。しかしストレスは万病のもとでもあり、不妊についても例外ではありません。
ストレスが自覚するほど多い、立場的に気を使うことが多い、いつもイライラしている、趣味などで楽しむことが出来ない方、などは不妊予備軍である可能性が大です。漢方的には「気滞」という体質に当てはまることが多く、精子の状態に間違いなく悪影響を及ぼします。
★睡眠不足の方
睡眠はホルモンの状態を左右する、非常に大きな因子です。仕事が忙しく帰宅が遅い…という方は危険信号です。22時から2時の最も睡眠を取るべき時間に取れていない方も同様です。「6時間寝ているし十分」ということもありません。数字では推し量れない要素であることも覚えておきましょう。ちなみに、このタイプの方は「陰虚」という漢方的な体質になっていることが多く、精子の活動に影響を与えると考えます。
★暑がりの方、寒がりの方
極端に暑がりの方、寒がりの方は体のバランスが崩れているケースが大半です。特に暑がりであれば、熱に弱い精子には大きな影響を与えると考えられます。漢方的には「熱」「陰虚」どちらかのタイプです。
★食べ過ぎ、飲み過ぎ傾向のある方
食べ過ぎ、飲み過ぎは、身体に不要物をため込む要因となります。不要物は身体の中で様々な悪さをしますが、精子にも大きな影響を与えます。運動率が悪いケースは、こういった不要物が”邪魔”している場合もあると考えます。漢方の言葉では「痰湿」と呼ばれる体質です。
以上のように表向きは元気で活発なバリバリ仕事をするような男性であっても、身体に負荷がかかっていて、精子の状態としては決して良くないケースも多々あるのです。ぜひその点を自覚し、赤ちゃんを望んでいる男性は身体のケアをしてみて下さい。生活養生と共に漢方薬を服用すればより効果的ですよ。