不妊漢方プラセンタ.jpgプラセンタは胎盤のことで、最近美容面で使用されることが多いようですね。いわゆるアンチエイジングを求めて使われており、病院ではヒトの胎盤を精製した注射製剤が自由診療で1回3000円程度で用いられているようです。
使用した人の感想を聞くと、「疲れが取れる」という声をよく聞きます。肌のシミ対策など美容面での効果は今一歩分かりにくいようですが、肌に潤いが出ることを感じる方は多いようです。
注射製剤は即効性があるとのことで、これはヒト由来の製品である点も大きいかもしれません。しかし注射は「血液製剤」扱いになるため、感染症のリスクや、献血が出来ないというデメリットがあります。
一方で内服薬は安全面から動物由来の製品となり、当店で扱っているプラセンタはブタ由来となります。ブタと聞くと逆に抵抗がある方もあるかもしれませんが、豚肉を食べていると思えば、ヒト由来より抵抗が少ないかな…とも感じます。
さて、プラセンタですが、漢方の世界では「紫河車(しかしゃ)」と呼び、古くから薬として使われていました。「紫河車」はヒト由来の胎盤であり、身体を温めて元気をつけ、「補腎」の効果を持つと定義されます。「補腎」とは生殖力や生命力を高めるという意味であり、言うなればアンチエイジング効果があるとも言えます。
よって、今プラセンタが使われている意味も、体験された方の実感も、漢方の理論にピッタリとマッチした、古くから認められている内容だと言えるのです。
ただし、「紫河車」は粉末を服用していた歴史があり、注射として用いられていない点は覚えておいても良いでしょう。そして、長期間服用して初めて効果を示すものであると定義されています。
紫河車」を科学的にみると、卵巣ホルモン、黄体ホルモンやアミノ酸などの栄養が豊富で、女性ホルモンの分泌も促すとされます。医学的に明確に効果が示されているわけではありませんが、不妊に用いる方も最近は増えているようです。
前述したように漢方の理論でも「補腎」の効果によって、卵子の質を上げたり、卵巣の働きを強化したりする作用が期待できます。体外受精に臨むうえで卵子の状態を高めたいという方には、良く利用される漢方薬の一つとなっています。
低温期だけ服用する場合もありますが、ある程度の期間服用しておくと効果が出やすいでしょう。
ただし、それほど強くないとは言え、温める性質を持ちますから、暑がりの方やのぼせやすい人、病院の薬で基礎体温が上がっている方などは服用に注意すべきです。比較的使いやすいお薬ではありますが、特に注射に関してはあまり安易に用いない方が無難かと思います。
せっかく蓄積された漢方の理論があるのですから、適切にプラセンタを使って、不妊対策に役立てたいものですね。