妊活という言葉が出来て久しいですが、正確に言うと妊活は生まれた時から始まっています。特に女性は出生時に卵巣に存在する卵子が増えることはなく、年齢とともに減るばかり。すなわち、子どもの時であっても、体に負担をかけないことにこしたことはないのです。もちろん、あまりに深刻に考える必要はありませんが、特に女の子を持つお父さんお母さんは、子どもの体のケアを小さな時から考えて頂くと良いですね。このような養生が、妊活だけでなく、大人になってからの健康な体作りにもつながっていきます。

ということで今回は年代別の妊活養生のお話ですが、子ども時代から始めたいと思います。

◆10歳まで…成長に大切な胃腸を守ることを考えましょう。冷たいアイスやジュース、お菓子は食べ過ぎないように。なお、子どもは「熱」体質であることが多いので、特に男の子は薄着を心がけたほうが良いです。

◆10代…生殖機能が発達してきますがまだ成長途上です。この時期にあまりに激しいスポーツ、大きなストレス、睡眠不足があると、その時は問題ないように見えても後に響いてきます。また女の子は生理が始まりますので、特に生理期間中は温めること、滋養することを心がけましょう。ファッションが気になる年頃ですが、女の子はお腹や下半身を冷やさないように気をつけたいですね。

◆20代…妊娠に最も適した時期で、性機能も充実します。体を動かし、楽しく、活発に過ごすと良いでしょう。ご飯を中心に肉類もしっかりと摂るべき年代です。しかしパワーがある時期だけに、性生活過多とならないように注意が必要です。また仕事などで無理をすると「腎(生殖力)」が早く衰えてしまいます。

◆30代…ここまでの生活スタイルなどによって、体質の個人差が出てきます。よって適する養生法も人それぞれ変わってきます。ストレス過多でデジタル化が進んだ現代生活によって「気血」が消耗してしまっているケースが多く、妊活のためにはしっかりと食べて寝ることがまず第一の基本となります。また一般的には徐々に「腎」が弱り、少しずつ老化が進んできますので、「腎」を補うことを考えていく時期です。

◆40代…妊娠に向けて必ず「腎」を意識すべき年代です。また、血行不良状態である「お血」も生じやすくなってきます。滋養と適度な運動が大切ですが、「補腎」と「活血」のために、力のある漢方薬の服用をおススメします。もちろん30代と同様に、個別の体質養生も必須となります。

以上簡単に年代別妊活養生のポイントを述べてみました。なお、妊娠しやすいカラダづくりについては、ちまたにあふれるほどの情報があります。どの情報を信じるかどうかはご自身次第ではありますが、中医学の考え方は長年の歴史があるという点で信用に足るのではないかと考えています。とはいえ、

☆この養生を行えば必ず妊娠するという方法は無い
☆無理なく、楽しく続けられる方法を

というポイントはぜひ覚えておいて欲しいと思います。