いよいよ不妊の高度治療に健康保険が適用されることとなりました。日本生殖医学会によって標準的な治療法についてのガイドラインが示され、これに従って中央社会保険医療協議会から、下記のような新しい保険適用治療と点数が提示され、2022年4月より実施となる見込みです(1点10円です)。

1)一般不妊治療
一般不妊治療管理料(3か月に1回)…250点
人工授精…1820点

2)高度治療(体外受精)←女性43歳未満、回数制限などもあり
生殖補助医療管理料(1か月に1回)…300点または250点
AMH検査…600点
採卵…3200点(1個の場合2400点、2個から5個は3600点、など加算)
体外受精管理料…4200 点
顕微授精管理料…1個の場合 4800 点
2個から5個までの場合 6800 点 など
卵子調整加算…1000点
受精卵・胚培養管理料…1個の場合 4500 点
  2個から5個までの場合 6000 点 など
注(胚盤胞の場合の加算)
  1個の場合 1500 点
  2個から5個までの場合 2000 点 など
胚凍結保存管理料(導入時)…1個の場合 5000 点
 2個から5個までの場合 7000 点 など
胚凍結保存維持管理料…3500 点
胚移植術…新鮮胚移植の場合 7500 点
凍結・融解胚移植の場合 12000 点
アシステッドハッチング 1000 点
高濃度ヒアルロン酸含有培養液 1000 点

3)男性不妊治療
Y染色体微小欠失検査 3770 点
精巣内精子採取術…単純なもの 12400 点
顕微鏡を用いたもの 24600 点

(参考:中央社会保険医療協議会第516回総会資料)
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000894869.pdf

この3割が実際に窓口で負担する金額となります。
現状の不妊治療は各医療機関で方法や金額がまちまちとなっています。今後上記のように保険適用となることで、均一化してくる可能性が高いのではないでしょうか。
問題は日進月歩の不妊治療において、最新治療が点数化しにくくなったりすることです。その他タイムラプスなど最新の培養等の設備についての評価が無いため、導入に及び腰になる医療機関が多くなる可能性もあるように感じます。

良い面もあるとは言え、まだ手探りのスタートとなるようにも思います。やはり保険財政も心配になります。現在のように、やや融通が利く、自治体が補助する形も良かったのかなあとも感じます。

さて漢方薬についてですが、こちらは現状でも医療機関で処方箋が発行された場合には原則保険適用となり、今後も変更はありません。しかし、保険適用の漢方薬が少ないこと、そして漢方薬選択に非常に大切な弁証論治(体質判断)を行って処方する産婦人科医師がまずいないこと、などの問題点があります。
よって、手前味噌にはなりますが、保険が効かないという大きなデメリットはあるとはいえ、当店のような様々な漢方薬が揃っている漢方薬局での相談が一番であると考えています。