妊活を考えている女性に、必須の栄養素を一つ挙げるのであれば、葉酸ですね。病院で勧められることもあるようです。確かに母体の葉酸不足は胎児の神経管形成不全につながることが科学的に証明されています。しかし間違えてはいけないのは、葉酸を摂取すれば授かりやすくなる、もしくは葉酸不足だと妊娠しにくいという証明はまだ十分で無いということです。すなわち、現時点での葉酸摂取は、あくまで妊娠後に赤ちゃんが順調に育つようにするための備えとなります。
下記は厚生労働省が発信している葉酸についての、主に海外からの情報です。
https://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/overseas/c03/05.html
ちなみに葉酸は、緑の多い野菜に多く含まれる傾向があり、ホウレン草やブロッコリーがその代表です。ただ野菜は旬に摂るのがベスト。春はアスパラガス、夏は枝豆、秋はごぼう、冬は水菜といった野菜も葉酸を比較的多く含んでいるのでおススメです。それから白米にも葉酸が多く含まれていることを忘れてはいけません。

またオメガ3脂肪酸といえば、EPAやDHAが有名ですね。脂肪と付くので、なんとなく健康に悪いイメージがあるかもしれませんが、ヒトの体内の細胞膜の状態を維持するために必要不可欠な成分とされます。そしてこのオメガ3脂肪酸は、体内で合成できないので、食べ物から摂取するしかない栄養素です。
下記の厚生労働省関連のホームページでも紹介されていますが、オメガ3脂肪酸を多く含む海産物の摂取は、胎児の発育に重要であるとされます。
https://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/communication/c03/05.html
そして、オメガ3脂肪酸の血中濃度が高いほど、妊娠率や出産率が高かった、という報告があります。とはいえ、この理論も確立されたものとは言えません。
なおオメガ3脂肪酸は青魚(サバ、イワシなど)の他、鮭やカキなど貝類に多く含まれるとされます。

さてこれら栄養素について、サプリメント服用を検討する前にまず考えて頂きたいのが、下記の事項です。

◎栄養成分が胃腸からしっかりと吸収されることが大切
せっかく栄養を摂っても、体内に吸収されなければ意味がありません。要するに栄養を消化吸収する場所である胃腸を良い状態に保つことが大事であると考えます。

◎栄養成分が体内で活用されることが重要
消化吸収された栄養素も基本的には単独ではあまり意味を成しません。他の成分と一緒に、体の中で活躍します。すなわち単味の栄養素を考えるだけでなく、たくさんの他の栄養物質のことも考えていく必要があると考えます。

要するに、食材(料理)から葉酸やオメガ3脂肪酸を摂る方がより効果的であることは間違いないと感じています。これは、鉄や亜鉛、ビタミン類など、他の栄養素についても同様です。そして、胃腸が弱い方は、まずそのケアを考えてみることです。ちなみにどうしても葉酸やオメガ3脂肪酸をサプリで摂りたい場合、漢方薬との併用は何ら問題ないと考えます。

さて、漢方の見地から、葉酸やオメガ3脂肪酸を見ていきたいと思います。
まず葉酸については、その不足は貧血につながることや葉酸を多く含む食材が持つ傾向から、「補血」と関係していると考えられます。そして「補血」は妊娠しやすいカラダづくりに重要であることは言うまでもありません。
またオメガ3脂肪酸については、心臓病の軽減に関係することなどから、「活血(血流改善)」に関係しているように思われます。また海産物の多くは「腎」を補うことが出来るため、「補腎(生殖力の強化)」の要素もあるのではないでしょうか。「活血」「補腎」も妊娠のために大切です。
これらのことから、葉酸やオメガ3脂肪酸を多く含む食材が不妊対策につながるという科学的見解は、中医学的に見ても納得であるとも言えます。

とはいえ、食事は楽しく摂ることが大切。あまり考えすぎず、バランスよく摂ることを意識したいですね。美味しい料理を食べて、笑顔があふれる食卓が妊活にも一番だと思いますよ。