めまいは、非常につらい症状の一つです。他人にはなかなか伝わりにくいのですが、本人にとってその不快感は極めて憂鬱であり、生活に大きく支障をきたします。あまりにもひどいと倒れこんだりしてしまうこともあり、電車のホームや階段などでその症状が出れば命に関わると言っても大げさではありません。
西洋医学ではメニエール病、脳血管障害、内耳などの問題と考えられることが多いのですが、難治の部類に入る症状でしょう。
中医学ではめまいの原因を大きく5つに分けて考えます。この5つのどのタイプのめまいであるかを判断することは容易ではなく、専門家による判断が必須でしょう。ただし自分が一度どのタイプであるか知ることが出来れば、それに対しての対策を普段から行えば、めまいの回数を徐々に減らすことも可能と思われます。
1、陽気上昇タイプ
このタイプのめまいは耳鳴りや頭痛を伴うことが多く、また血圧がやや高めで、イライラしやすい特徴があります。陽気を鎮めて”嵐”を収めれば、症状が出にくくなります。このタイプには「釣藤散(ちょうとうさん)」というお薬が適用となる場合が多いでしょう。
2、血不足(+気不足)タイプ
このタイプのめまいは、運動後や疲れた後に症状が出る傾向があります。また貧血や動悸などがあるケースも多いでしょう。減っている血を補うことが大切です。「婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)」などを使用します。
3、余分な湿気がたまっているタイプ
このタイプは頭が重い感じを強く受けます。身体も重くなり、痰が出やすく、場合によっては胸がつまったような感じを伴うことも多いでしょう。このタイプには「半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)」が良く使われます。
4、血行不良タイプ
このタイプはめまいの時に痛み(頭痛)を伴うことが多いでしょう。顔色が悪く、血圧が高い場合もあります。肩や背中のこりが慢性的にある方のめまいの大半はこのタイプを考慮します。「冠元顆粒(かんげんかりゅう)」が選択される場合が多いでしょう。
5、老化タイプ
老化と言っても若い方でも起こる可能性があります。体の消耗によって老化現象が進み、めまいが起こります。腰痛や物忘れなどの症状を伴うことが多いでしょう。「杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)」や「海馬補腎丸(かいばほじんがん)」などの薬を使います。
めまいは症状が治まった時に体質改善をすることが大事です。どうしても調子が良い時は忘れがちになってしまいますが、体のケアを日頃からすると、めまいの起きにくい身体に変わってきます。しっかりと自分の体質を把握して、もっとも自分にあった漢方薬で体質改善に努めましょう!
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