動悸とは、特に理由が無いのに心臓がバクバクと脈打つこと。経験が無い方は「動悸って何?」と思われるかも知れませんが、不意に起こる心臓の異常な感覚は、言いようがない不安感が伴います。もちろん、私たちは経験上、緊張したり運動したりすると心臓がバクバクすることを知っていますから、そのようなケースでは何も感じませんが、突如として起こる体の大事な部分の異常は、体に何かが起こっているというサインであると認識します。
動悸は西洋医学的にも未解明な部分が多いのですが、強い動悸が突如として起こった場合には、心不全や心筋症が原因の場合があり、病院での検査が必要です。また不整脈が伴うケースも多いようです。
一方で心臓疾患以外の場合には、原因の究明が困難なケースが増えるでしょう。精神的な問題や更年期障害の一つとして、抗不安薬などを処方されることもあると思います。
基本的に動悸の症状自体は数値で測ることが出来るものではなく、自分自身にしか分かりません。よって西洋医学的治療にも限界があるのが現状です。
一方、漢方では動悸の原因と対処法が明確になっています。もちろん動悸の漢方的原因は様々ですから、その判断が重要となります。以下にいくつかの漢方的原因とその特徴、対処法を列記します。
1)心の気血不足
中医学で云う「心」のエネルギーと血液不足から生じる動悸です。不安感を伴うことが多く、疲労すると発症しやすいという特徴があります。「麦味参顆粒(ばくみさんかりゅう)」や「帰脾湯(きひとう)」などの処方で「気血」を補うことに依り改善します。
2)陰虚による熱過剰
「陰」が不足して、”熱”が生じ、動悸につながると考えます。イライラ、のぼせ、ほてり、不眠を伴うことが多いでしょう。”陰”を補う「天王補心丹(てんのうほしんたん)」が非常に良く効きます。
3)心のお血
「心」の血流が悪い状態です。不整脈や、時には胸の痛みを伴うこともあります。血の流れを改善する「冠元顆粒(かんげんかりゅう)」を使用して、「お血」を取り除きます。
4)痰による阻害
“痰”が心の血の流れを阻害して動悸が引き起こされます。”痰”はストレスによって生じることが多いでしょう。「温胆湯(うんたんとう)」をメインに”痰”の除去を図りながら、「加味逍遥散(かみしょうようさん)」などを使って「気」の巡りを改善させ、ストレス対策を行います。
その他にも動悸の原因がありますし、これらが組み合わさっているケースも多々見られます。しっかりと対処できれば動悸は漢方薬が有効です。不快な症状に悩んでいる方は、ぜひ試してみて下さいね。
動悸の漢方的原因
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