社会不安障害(社会性不安障害、SAD)は、人前での行動や活動に対して、過剰な不安や恐怖を感じる精神疾患で、不安症(障害)の一種とされます。
人から注目される状況で、発表したり、しゃべったりすることは、大なり小なり誰でも緊張するものです。しかしこれが過剰で、全く言葉が出ない、通常のパフォーマンスが出せない、となると社会的に困難な状況に陥ります。その状況から逃れたい気持ちが強く、その場所に立つことが出来ないこともあり、そうなれば今までの努力が実を結ばない結果となってしまいます。

受験や就職での面接、実技の試験、スポーツの試合、仕事でのプレゼンやあいさつなど、どうしても人前で何かをしなければならない機会は必ずあります。しかも、そのタイミングは、人生を左右することが多いものです。また仕事での出世、ステップアップにも関係してきます。よって、社会不安障害は人の生活に大きな影響を与える疾患であると言えます。

社会不安障害の医学的な原因ははっきりと分かっていません。環境要因(トラウマなど)、遺伝要因、生物学的要因(セロトニンやドーパミンなど)等が関係しているとされますが、これらが重なって発症している場合もあると考えられます。
社会不安障害と診断された場合、病院では薬物療法と精神療法が中心となります。レクサプロ、パキシル、デプロメールなどのいわゆる抗うつ薬が処方されることが多いです。しかし、社会不安障害の方は、普段の生活は特に問題が無いため、これらのお薬の服用に不安を覚えることも多いでしょう。また、根本解決にならないという点もあります。このような場合、漢方薬の服用を検討してはいかがでしょうか。

さて漢方(中医学)の理論で社会不安障害の方の体質を考察すると、「心血」不足である可能性が高いと考えます。人間は、一人一人それぞれ「心」の中に「神」が在り、その「神」がぐらつくと不安や恐怖を感じるとします。その「神」を安定させるための栄養が「心血」であり、その不足があると社会不安障害が発症してしまうと考えられます。
この「心血」を補うための代表的な漢方薬が「帰脾湯(きひとう)」です。「心血」を補う薬はもちろん、「安神薬」と呼ばれる、気持ちを落ち着かせる作用を持つ生薬も含まれています。
また、琥珀、珍珠母なども「安神」作用があり、これらが含まれた製品も社会不安障害の症状に対応しています。

しかしながら、社会不安障害の方がどなたでも上記の漢方が合うわけではありません。その方の体質や状況によって、漢方薬を選択する必要があります。また、相談をすることによって、社会不安障害の漢方的原因が腑に落ち、気持ちが落ち着いて自信がつくこともあります。必ず、漢方、中医学の専門家に相談をしてから服用するようにしてくださいね。

参考ホームページ:札幌大通こころのクリニック-社会不安障害
https://sapporo-mental-clinic.jp/menu/disease/sad/