
いびきは自分自身に自覚が無い症状だけに、家族等に指摘されるとどれほど迷惑をかけているか、不安になってしまいますよね。私もいびきを指摘されたことがあり、申し訳ないと思う気持ちとともに、どれほどなのだろうと、その程度が分からないだけに、実感が無い部分もあります。問題となるほどのいびきであればレコーダーで録音するべきなのでしょう。
さて、健康体であればいびきはそれほどひどくはなりません。家族の方の睡眠の質によってもいびきの感じ方が変わるので、なかなか程度の判断が難しいのですが、ひどいいびきの場合は体に問題がある可能性が大です。もちろん家族の睡眠不足につながるという点がいびき対策を行う動機としては多いかもしれませんが、睡眠時無呼吸症候群との関連もあり、いびきを減らすことは自身の健康にとっても良いことであることを自覚しましょう。
さて、いびきの中医学的な原因ですが、主には「痰湿」であると考えます。「痰湿」とは体内の不要水分です。太り気味である、痰や咳ばらいが多い、下痢や軟便が多い、などの症状をお持ちの方はまず「痰湿」体質で間違いありません。「痰湿」はアルコールによって生み出されます。この体質の方は、アルコール摂取をほどほどにしましょう。また油っこいもの、チョコレート、コーヒーなども「痰湿」を生みます。漢方薬としては「温胆湯(うんたんとう)」が合うことが多いでしょう。
もう一点、いびきをする方は「お血」、すなわち血行不良体質が絡んでいることも多いように思います。「お血」は毛細血管の流れが悪い状態であり、鼻やのどの機能にも影響を与えます。いびきをかきやすく、肩こりや頭痛やしびれがある、運動不足である、という方は「お血」体質改善も考慮すべきでしょう。
体を動かすように心がけ、「冠元顆粒(かんげんかりゅう)」などの漢方薬を服用します。
とは言え、体質判断には専門家の診立てが大切です。漢方薬服用の際には一度は漢方の専門家の判断を仰ぎましょう。
いびきは病気ではなく、自分自身が辛い症状とは言えません。しかし前述したように、「未病」と言われる病気の前段階である可能性は高いため、家族のためだけでなく、自分自身のためにも体質改善を考えてみましょう。







