不妊治療を行っている夫婦には、ストレスが伴います。時間が奪われ、仕事や家事・育児・介護との両立に悩み、金銭的な負担が増え、痛みや副作用が伴う治療、そして何よりもいつ授かるか分からないという不安…前向きに取り組んでいる方も多いですが、ストレスゼロには決してなりません。
このストレス(攻撃)を、受け流すもしくは発散して(防御)、体への影響を少なくすることが、妊娠・出産というゴールへの近道です。攻撃を受けてばかりでは、体はダメージを受けてしまうのは必然ですよね。医学的にも過度のストレスが、自律神経系に影響を与え、ホルモンバランスを乱し、生理周期や卵子や精子の発育に影響を与えることが分かっています。
ということで、今回は私が考える不妊治療中のストレスに上手に向き合う方法をお伝えしたいと思います。

1)夫婦生活を大切に
妊娠はそもそも夫婦生活を行うことが前提。不妊治療が人工授精、体外受精に進むなどすると、すっかり夫婦生活忘れてしまう方もいらっしゃったり、時には「出来れば夫婦生活をしたくない」という話を聞きます。しかしこれは本末転倒、やはり二人の愛の証が赤ちゃんです。赤ちゃんも愛し合っている二人の元に来たいと思っているはず。妊娠につながらなくとも自然な夫婦生活にはストレスを吹き飛ばす一番の力があると考えます。

2)睡眠時間をキープする
イヤなことがあっても寝ることが出来れば忘れられます。逆に寝れないような状態であれば、なんとか寝るための対策を。ホルモンも夜中に分泌量が高まるとされます。

3)運動をする
中医学ではストレスが溜まると「気血」の流れが悪くなると考えます。そして、運動はその「気血」の流れをスムーズにすることが出来ます。ただしイヤイヤの運動は逆効果。また激し過ぎる運動も「気血」の消耗につながりよくありません。楽しく続けられる適度な運動をみつけましょう。ストレッチ(特に脇を伸ばす)、ラジオ体操もおススメですよ。

4)目と頭を休める
ストレス耐性を付けるには「血」を大事にすべきとされます。逆に言えば「血」が豊富であれば、気持ちにも余裕が生まれてくるはずです。その「血」の消耗につながる大敵と言えば、目の酷使。そして頭脳労働。この二つをセーブすることがストレス対策になります。

5)「血」を増やし「気」を流す食事を摂る
女性にとって「血」は妊娠にとって大切な要素であり、前述したようにストレスに強い体づくりのためにも「血」が豊富であることが重要。よって「血」を補う鶏肉、ほうれん草、貝類などを積極的に摂りましょう。
またストレスが溜まると「気」の流れが悪くなります。「気」を流すためには、酸っぱいもの(梅干し、酢の物、みかん、レモンなど)や香りのよいもの(シソ、セロリなど)がおススメです。

6)漢方薬も活用
上述のように食事や生活習慣でストレス対策を取ることも大事ですが、追いつかないようなストレスがある場合、もともとストレスに弱い場合などは漢方薬の活用を。
逍遥顆粒、婦宝当帰膠、刺五加、琥珀含有食品などが活躍します。

その他にも音楽を聴く、自然の中に身を置くことなども挙げられますが、結局のところ「楽しい時間を過ごす」ことが一番であって、その方法は人それぞれ。中医学の知恵を参考にしながらも自分なりのストレスに向き合う方法を見つけてみて下さいね。そして元気なかわいい赤ちゃんと笑顔で出会いましょう!