なかなか赤ちゃんが授からないとき、多くの方はまず病院に行くことを選択するのではないでしょうか。今の世の中は現代医学を元にした治療が大原則であり、まずは病院で検査を受けるという考え方がもっとも一般的とも言えます。しかし、現代医学は万能ではありません。特に生殖医療については分からないことばかりであることを頭に入れておかないと、検査から治療へ進むにつれて、どんどんとストレスの悪循環になっていくことも多いです。この悪循環から抜け出すときに役立つのが漢方であると考えます。ということで今回は妊活に漢方が役立つ5つのケースを紹介させて頂きます。

1)不妊の原因が不明である場合
西洋医学は、数値や画像診断によって、明確な原因が分かる時には大きな力を発揮します。原因が分かっても対処が難しいこともありますが、その場合であっても方向性を示すことも得意です。逆に原因が不明の場合は、推測で対処するしかなく、手探りの治療となります。
一方で漢方の理論では不妊原因として体のバランスの崩れが認められることが多く、そのバランスを戻すことでおめでたにつながることが多くあるのです。

2)再発しやすい疾患がある場合
子宮筋腫など、一度手術で切除しても再発することが多い疾患がありますが、その再発を予防する手立てを西洋医学は持ち合わせていません。よって、体質改善を得意とする漢方が再発防止に活躍します。

3)不妊の原因に生活習慣病が関わっている場合
生活習慣病は、西洋医学では当面の数値対策は出来たとしても、根本的な対策を行うことは難しいケースが多いです。たとえば、糖尿病などは、薬で当面の数値を下げたとしても、長い目で見た食事や運動が大事であり、この場合に食養生のアドバイスが出来る漢方理論を当てはめて対処した方がスムーズな改善が見込めます。

4)不妊原因として年齢の要素が強い場合
西洋医学が抗えない要素である加齢に伴う卵子や精子の妊孕力の低下に対しての対策手段を持つのが漢方理論です。

5)精神的な要因がある場合
「心身一如」の考え方を持つ漢方は、心と体を同時に治すことが出来ます。妊活中は精神面に作用する薬を飲めない場合もあることから、漢方的治療が役立ちます。

以上、私が考える妊活に漢方が役立つ5つのケースです。もちろん、漢方を使ってすぐに結果が出る方もいれば、なかなか赤ちゃんが来てくれないこともあります。それでも漢方を上手に使うことで、妊娠出産につながっている方が多いことも事実です。上記に当てはまるという方は、ぜひ漢方薬の服用をご検討くださいね。