出産後、頭に霧がかかったようにぼんやりしてしまう症状をマミーブレインと呼びます。最近注目されるようになった症状で、正式な医学用語ではありません。
産後の症状であるため、厳密には「不妊と漢方」のコーナーには当てはまりませんが、妊娠と出産に伴う女性の体のケアは一連と考えて本コーナーに入れたいと思います。

さてマミーブレインの具体的な症状は、
★もの忘れがひどい
★ぼーっとして何も考えられなくなる
★記憶力、集中力が低下する
★同時にたくさんのことが出来ない
などが挙げられます。
最近の医学的研究によると、産後は脳が7%ほど委縮するそうで、これがマミーブレインの原因とも考えられるとのこと。長くても産後2年ほどで症状は軽快していくそうですが、それでも2年近くこのような症状で悩まされるのは辛いものがあります。症状がひどい場合には心療内科で薬を処方されることもあるのかもしれませんが、上記の症状に対し、医学的に具体的な対策は無いと思われます。

しかし、これらの症状は中医学、漢方の理論では「血虚」そのもの。「血虚」とは「血」が不足した状態です。「血」は脳の栄養とされるのですが、その栄養が足りずに頭が回らなくなると考えるのです。
出産育児はたくさんの「血」を消耗します。もともと「血虚」であった方が出産した場合は、程度の差はあれ、マミーブレインになる可能性がとても高いと考えます。
なお「血虚」と同時に「気虚」すなわちパワー不足も伴うことが多く、この場合には産後うつとなってしまう危険があります。

いずれにしても対策としては、出産後は無理をせずに「血」を守りつつ「血」を補う生活をすることです。具体的には
★目を使い過ぎない(スマホは極力使用しない)
★睡眠を多くとる
★たんぱく質(お肉、魚)、ニンジン、ぶどう、ほうれん草、小松菜、貝類などを積極的に摂る
ことです。
とは言え、現実的に子育てをしながらこれらを実践することは難しい面もあります。特に第二子、第三子の出産後は自分の体は二の次になりがち。「おかしいな」と感じたら養生だけで対処することは難しく、早めに漢方薬を服用することをおすすめします。たとえばですが、「健忘」に対しての効果を持つ「心脾顆粒」は、胃腸にも優しく、「血」を補う作用を持ちますのでマミーブレインにぴったりの漢方薬です。
しかしながら、マミーブレインは「血虚」が主の原因とはいえ、その他の原因が絡んでいるケースもあり、その方の体質に合わせて漢方薬の服用を考えるべきです。必ず専門家に相談のうえで服用薬を決めて下さいね。

≪参考ホームページ:産後のマミーブレイン | 大阪府門真市・守口市の神道レディースクリニック (shindoh-clinic.jp)