新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、目を酷使する環境がさらに進んだような気がします。大人は仕事でパソコンの中の文字を追い、休憩中はスマホでコミュニケーションや情報収集、子どもも学校ではタブレットを使って、家ではゲームの時間が増えています。どなたも自然の中で遠くを見たり、のんびり目を閉じたりする時間が極めて少ないのではないでしょうか。デジタル化が進んだ現代社会は、コロナ禍が去っても、これからさらに目にとって過酷な環境となっていくことでしょう。

ちなみに目を酷使すると、以下のような症状の発生が危惧されます。
★つかれ目や涙目
★近視や老眼の進行
★ドライアイ
★肩こりや頭痛
★めまい
★イライラ

となれば目の養生をして、自分で自分の目を守っていく必要があります。以下は私の考える目の養生、3つのポイントです。

1)目のマッサージをする
目の周辺には、目の疲れをとってくれるツボがたくさんあります。気持ち良いと思う場所を揉むだけでも良いですが、本格的に目の体操をしたい方は下記の要領で行ってみて下さい。
●親指を耳たぶの下にあてて、人差し指を眉毛の内端に置き、下に8回揉みます。
●人差し指を目の内側に移して、上下に8回押します。
●瞳孔の真下の骨の部分に人差し指を置いて8回押します。
●眉の外側と目の外端部の中間部分にある陥没部分に人差し指を置いて8回揉みます。
●両方の眉毛の中央に人差し指を置いて8回押します。
上記一通りをのんびりやっても3分ぐらいで出来ますので、仕事や勉強の合間などにぜひ試してみて下さいね。

2)目を滋養するために「血」を補うことを意識する
中医学で目の栄養は「血」が担っているとします。すなわち目を酷使すると「血」が失われ、その機能に影響します。よって「血」を補うための養生が、目を守ることにつながるのです。
●鶏肉、卵、トマト、ほうれんそう、ニンジン、小松菜、貝類、クコなどを摂る
●胃腸を労わるために、冷たいもの、油っこいもの、生ものは控えめにする
●睡眠をしっかりととる

3)ストレス発散を!
中医学で「目」は「肝」に属し、「肝」は自律神経と関係してストレスによってその機能が損なわれます。すなわちストレスがかかると目にも負担となるのです。
●自然がたっぷりの場所で、陽を浴びて、背伸びをし、深呼吸する
●酸味のもの(みかん、梅干し、酢のものなど)を摂って、体をほぐす
●泣いたり笑ったり、我慢し過ぎないようにする

一生にわたって付き合っていく自分の目。上記を参考にして、どうぞ大事に守ってあげて下さいね。

≪参考図書:いかに弁証論治するか(菅沼栄著・東洋学術出版社)≫