くだものは人類が古くから食用としていた食べものです。人類だけでなく、生物全般が果物を好むように出来ているようにも感じられます。植物の繁殖のためですね。手軽に採取出来て美味しい果物は、昔の人類は今よりも重宝していたのではないでしょうか。
ただ現在において果物は糖分が多い、カロリーが高い、などの理由で敬遠されることもあるようです。ぜいたくな悩みですが、飽食の時代、仕方が無いのかもしれませんね。

さて果物は中医学の中でも出てくることが多く、生薬として活用されているものもたくさんあります。例えば、大棗(たいそう)はなつめの果実、枸杞子(くこし)はクコの果実、山茱萸(さんしゅゆ)、五味子(ごみし)なども果実です。性質的には「甘」や「酸」がほとんどで、「気血」等を補ったり、収斂(引き締める)作用を持つ生薬が多くなっています。果物は甘みと酸味が特徴ですから当然ですね。

そして以前に他のコラム等でも書いていますが、果物には養生に役立つものが豊富にあります。

りんご…平性。消化機能を高め、潤す
みかん…涼性。健胃作用。気を巡らす
梨…涼性。熱を冷まし、潤す
柿…寒性。熱を冷まし、肺を潤し、咳を鎮める
ぶどう…平性。「気血」を補う
いちご…涼性。消化促進、のどの渇きを癒す
すいか…寒性。熱を鎮める
もも…温性。「気血」を補い、血行を良くする

※厳密にはいちご、すいかは果実的野菜です。

栄養学的にもエネルギーを補充することが出来、ビタミンも豊富な果物は養生に積極的に活用したいものです。
私のおススメは食後のデザートの代わりに果物を食べること。お菓子を食べるよりも健康に良いですよ。ちなみに私は夕食後に必ず果物を食べています。
一方で空腹時に食べる果物は、糖分の吸収がスムーズで疲労対策には悪くありませんが、血糖値が気になる方などは注意が必要と考えます。それでも3時のおやつもお菓子よりは果物がいいですね。