私たちは毎日おしっこをします。陰部から排泄され、またキレイとはいえないもののため、隠すべきとして扱われますが、誰もが毎日出すおしっこは健康の指標となります。ウンチと比較すると変化は目立ちにくいかもしれませんが、目をそらさずに観察してみましょう。特に最近は男性も洋式で座って排尿する方が多いようなので、排尿後に振り返ることも大切と思います。

まず現代医学的に正常とされるおしっこの状態は以下のとおりです。

回数…昼は4~7回。
8回以上は頻尿です。夜間は1回起きてトレイに行くのは問題なしで2回以上であれば治療対象です。
ただし排尿回数は生活状況によっても大きく変わります。汗を大量にかく環境であれば回数は減ります。

…淡い黄色。
透明は良いとは言えず、糖尿病のケースもあります。白濁している場合は膀胱炎や腎盂腎炎など感染症や炎症の存在が疑われます。そして赤い色は血尿であり、尿路感染症、結石など病気の可能性もありますが、疲労や体質が問題のケースも考えられます。

臭い…特有の芳香臭。
飲酒後や食事に種類によっては強い臭いとなります。甘いもしくは甘酸っぱい臭いなどは病気の可能性があります。

その他…排尿時の痛み、残尿感、尿漏れが無い。


次に中医学によるおしっこの考え方です。

回数…原則として、排尿回数が多い場合は「寒」、少ない場合は「熱」とされます。ただし、「熱」で頻尿となることもあります。

…透明であれば「寒」、色が濃い場合は「熱」と捉えます。また白濁も血尿も「熱」と考えることが多いです。

臭い…強い臭いは「熱」と考えます。

ここでは「寒熱」のみの指標を記しましたが、他にもおしっこが様々な体質の判断材料の一つとなることもあります。
大事なのは普段と異なるおしっこが出た時に気づくことです。それは体から発せられた体調変化を示す信号。急性的な変化の場合は感染症等ですが、「最近今までとおしっこが違うなあ」と感じたら「未病」状態の可能性があります。もちろんまだ病院に行く段階ではないので、そのような時は漢方薬局に相談をしてみて下さいね。きっと転ばぬ先の杖になりますよ。