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モルヌピラビルは期待できる薬となるか?

time 2021/11/18

新型コロナウイルス感染症の経口薬として期待されているモルヌピラビル。
アメリカのメルク社が開発した薬剤ですね。
軽症者が悪化を防ぐために役立つ可能性があると言われます。

モルヌピラビルはRNAポリメラーゼ阻害薬です。
RNAポリメラーゼとは、RNA合成を担う酵素のこと。
よってその機能を阻害すると、コロナウイルスがヒトの細胞に感染したあと、増殖する際に必要なRNAコピーが出来なくなる、という理屈です。

ただ、人間の体は複雑で、理屈通りには進みません。
富士フィルムが抗インフルエンザ薬として開発したアビガンもRNAポリメラーゼ阻害薬です。
インフルエンザに対して、ある程度の効果はあったものの、催奇形性という重大な副作用が報告されています。
ヒトのカラダにとって大切な正常な部分(催奇形性に関しては卵子や精子の増殖過程)にも、薬剤が働いてしまう可能性があると考えられます。

そして、モルヌピラビルの効果については、アメリカの試験ではコロナ陽性で入院していない発症から5日目以内の軽症から中等度の症状の患者775人の29日目の分析で、薬剤服用群は7.3%、偽薬群は14.1%の方が入院や死亡となり、有意差があるとのことでした。
確かに重症化する方が減っていますが、完全に防げるわけではないことが分かります。

またファイザーは、パクスロビドという薬剤を緊急申請したそうで、こちらは89%の重症軽減効果があるとされます。
こちらはRNAプロテアーゼ阻害薬であって、ウイルスタンパク質合成を阻害します。

結局のところ薬は、副作用と主作用のてんびんです。
C型肝炎ウイルスに対しての薬剤として実績のある、RNAポリメラーゼ阻害薬やRNAプロテアーゼ阻害薬ですが、未知の部分も多いように感じます。
新型コロナウイルスワクチンの効果は素晴らしいものであったと思いますが、これら抗ウイルス薬に関しては正直メリットが大きくないため、私は飲みたくありません。

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