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静岡県裾野市(三島市、長泉町、御殿場)よろず漢方薬局から様々な話題をお届けします

静岡中医薬研究会定例会、慢性炎症について

time 2022/02/26

日曜日に今年最初の静岡中医薬研究会定例会が開かれました。
今回のテーマは慢性炎症について。

「炎症」ってよく使われますが、体の組織に起こる赤み、ただれ、と考えると分かりやすいように思います。
体内に生じるやけどのようなものですね。
医学的には、感染や損傷などのダメージに対する生体の防御反応とされています。
要するに、炎症は体が戦っている証であり、悪いものでは無いはずですが、過剰な炎症反応は人にとって不快な症状を引き起こし、病気の原因となります。
病名の最後に「炎」がつけば、炎症という意味ですから、鼻炎、皮膚炎、口内炎、膀胱炎など、身近な病気の多くが当てはまるのですよね。
とは言え、これらの多くは急性炎症です。
一般的には抗炎症薬やステロイド(免疫抑制剤)で対処することが多いのですが、
炎症を引き起こしている要因(ウイルスなど)が排除できないと長引くことも多く、薬が上手く効かないことも多く見受けます。

一方で、慢性炎症が関係している病気として、がんや認知症、心筋梗塞などがあるとされます。
これらは長い期間、穏やかな炎症が体に負担をかける感じです。
慢性炎症の場合も抗炎症薬が選択されることもありますが、長く飲み続けるのは副作用の心配も出てきます。

このように炎症対策は現代医学でもなかなか難しいので、漢方薬の出番です。
基本的に炎症は「邪気」が原因であり、その「邪気」の排除がポイントとなりますが、併せて「正気」である体の防御力の調整も必要となります。
今回の講義では、本当にたくさんの病気への応用の可能性を教えてもらいました。
炎症は生体にとって有益でも有害でもある反応ですから、抑え込めるのではなく、上手に向き合えると良いように思います。

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