笑顔が一番-よろず漢方薬局のきままなブログ

静岡県裾野市(三島市、長泉町、御殿場)よろず漢方薬局から様々な話題をお届けします

新型コロナウイルスのmRNAワクチン

time 2020/11/19

新型コロナウイルス、Covid-19に対するワクチンの治験が進み、90%以上の有効率を示す結果が出たという報道がありました。

以前にワクチン研究をしていた私から見て、新型コロナウイルスに対するワクチンは、そう簡単には出来ないだろうと思っていましたが、
いざという時の人類の知恵はすごいものです。
このまま進めば、ワクチンを開発した人(チーム)はノーベル賞間違いなしではないでしょうか。
いままでどのような研究をしていた方が携わっているのか分かりませんが、これが出来るのであれば、
他のウイルス病に対してももっと早くワクチンを作ってもらいたかった、と感じます。
とは言え、危機的な状況下だからこその「英知の結集」なのかもしれません。

現在ワクチン候補は二種類あるそうで、二つともmRNAワクチンです。
mRNAワクチンは今まで実用化された例がない、というもの。
私はこの話を聞いたときに、「本当にワクチンになるの?」と不思議でなりませんでした。
mRNAはメッセンジャーRNAの略で、伝令RNAと訳されます。
DNA情報を伝え、タンパク質生成の設計図となります。
Covid-19のmRNAを作成し、人体にワクチンとして接種することで、細胞の中でCovid-19もどきのタンパク質が作り出され、免疫応答を惹起する、という仕組みです。
ある程度の分子生物学の知識をお持ちの方であれば、下記の記事が参考になると思います。
https://www.cas.org/ja/blog/covid-mrna-vaccine

このワクチンの画期的な点は、
1、人の細胞にウイルスmRNAが取り込まれやすくするため、またワクチンの安定性を保つために、脂質ナノ粒子という特殊成分に入れられているという点
2、直接抗原を投与するのではなく、mRNAを使用している点
であるように思います。
mRNAは非常に不安定であるのですが、脂質ナノ粒子という「箱」を使うことでクリアしています。
そして教科書的には考えられても、実際に人体で予定通りに進み、免疫が出来るのかという心配があるのですが、現状の結果としては上出来であるように感じます。
私の学生時代の知識では到底及びもつかないほど画期的なワクチンです。

心配な点としてはウイルス変異が起こり、ワクチンが効かなくなってしまう可能性でしょうか。
それでも人々の不安を和らげるには十分なワクチンと思います。
理論的には副作用はそれほど大きくないと考えられるため、個人的には非常に期待しています。

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